小満(しょうまん)5月20日~6月4日

金色のムギ畑が見られる頃

 二十四節気でいう小満(しょうまん)は、秋に苗を植えたムギに穂が実り「これで当分は食べていける」と少し満足したことから、名付けられました。この時期にムギは収穫を迎えるので、昔は各地で金色に染まったムギ畑が見られました。
私も子どもの頃に見ていた気がします。ムギもイネも、当時は何もわかっちゃいませんでしたが。秋じゃない頃に金色の穂が実る畑を見ながら、「くもん」の教室に通っていた記憶がおぼろげにあります。

我が家の空中庭園

 
バラの季節の到来です。今年ゲットしたばかりのモッコウバラの季節が終わり、3年前くらいから育てているつるバラ・アイスバーグはもう少しで咲きそう。今年はせっせとハダニ対策スプレーをしたのでつぼみが多い気がします。密かな楽しみです。横にはクワの実もたわわに実ってきました。ベランダで育てるとハトが来て困るな、、と思っていたのですが、意外と来ないみたいですね。

2020年小満の日記

 昨日、息子が「アミを持ってお魚をつまかえ(捕まえ)に行く!」と言い出したのは夕方の5時。ごっ5時だよ⁉︎ と何回も言ったけど、大人の常識が4歳児には通用しない。こちらも自宅勤務で仕事している間はひたすらYoutubeを見せてしまっている負い目があるので、仕方なくアミを持って近所の夙川へ。
「子どもを見ながら仕事をする得も言われぬ疲れがあるけど、今は子どもと散歩することによって癒されているなあ」と思いながら歩きました。18時半くらいまで明るかったので意外とゆっくりできました。夕刻まで遊べるのはこの時期ならではですね。
ふと気になる木があったので、写真を撮ってアプリで調べてみました。
センダンの木でした。フジのようなうす紫色の花が咲いていて(アイキャッチ画像)、なんとなくいい匂いもします。帰ってからさらに調べてみると、センダンの古名は楝(おうち)。日本に昔からある木で『枕草子』や『万葉集』にも登場しています。
木のさまにくげなれど、楝(あうち)の花、いとをかし。
枯れ枯れに、さま異に咲きて、かならず五月五日にあふも、をかし
『枕草子』三十四段
旧暦の5月5日は現在の新暦でいう5月下旬から6月上旬に当たります。つまり、今頃ですね。思いがけず、いい勉強になったと思います。

次回は

芒種(ぼうしゅ)6月5日~6月20日

この記事を書いた人

西田 めい

西田めい(にしだめい)
書籍編集者、ライター。大阪の編集プロダクション勤務から2022年4月に独立。
古事記、百人一首、源氏物語、枕草子、平家物語、奥の細道など、多数の古典関連書籍の編集、執筆を担当し、古典のおもしろさに目覚めました。柳田國男検定・初級合格(こんな検定あるんですよ、笑)。趣味はベランダガーデニング。
大学時代は軽音楽部だったので音楽が好きです。
著書に『二十四節気のえほん』(PHP研究所)、『はじめてであう古事記』上下巻(あすなろ書房)があります。お仕事のご依頼、ご相談などございましたら、お問い合わせフォームからお願い致します。