【二十四節気】雨水の意味、俳句、行事 2022年2月19日〜3月4日

雨水(うすい)とは

雨水は雪が雨に変わり、氷が溶け出す頃。その年の農作業を始める目安とされてきました。しとしと雨が降るような天気でも、お日様が顔を出すとぽかぽかあたたかい。季節はひと雨ごとに春に近づいていきます。

雨水の時期の俳句

梅一輪一輪ほどの暖かさ  服部嵐雪
『暮らしの中の二十四節気 丁寧に生きてみる』黛まどか (著) /春陽堂書店 (2021/10/19)、の本で俳句を勉強しておりまして、忘備録も兼ねて少し引用させてください。

嵐雪は芭蕉十哲の一人で、宝井其角と並び称された高弟。少しずつ寒さが緩んでくるのを、「梅が一輪また一輪とひらくほどに」と喩えた。既に暦では春が立っているだけに、行きつ戻りつする季節にもどかしさすら覚える。「梅一輪」には、切ないまでの春へ期待感も込められている。右の句が広く人口にの膾炙(かいしゃ)するのは、その実感が美しい梅のほころびに託されて見事に捉えられているからだろう。雨水の頃は、春一番が待ち遠しい季節でもある。

『暮らしの中の二十四節気 丁寧に生きてみる』黛まどか(春陽堂書店)

 

まさに、今日、まだ咲き始めたばかりの梅の花を見てそう思っていたところです! この他に雨水の項目には3句掲載されていて、黛まどかさんの体験も交えた解説も、とっても味わい深いです。

雨水の行事は「ひな祭り」

雨水の終盤には3月3日の「ひな祭り」があります。つい最近、私はひな人形に関する新発見がありました。息子が保育所でひな人形を飾っていたらしく、「ひな人形のなかに怒り上戸(じょうご)がおるんやで」と言うので「??」「は? そんなのいないから」とか軽くかわしていたのですが、念のために調べてみると……。おった!! ホンマにおった!


七段ひな飾りの五段目。
仕丁(じちょう)と呼ばれる三人の顔をよくみると、
向かって左の人は怒った顔で台傘を持っていて、
真ん中の人は泣いた顔で靴台を持っていて、
右の人は笑った顔で立傘を持っている。
その表情から「怒り上戸」、「泣き上戸」、「笑い上戸」の「三人上戸」と呼ばれているそうな。
まだまだ知らないことあるんだなあ〜と思った出来事でした。

お、怒ってるぅ……☆

この記事を書いた人

西田 めい

西田めい(にしだめい)
書籍編集者、ライター。大阪の編集プロダクション勤務から2022年4月に独立。
古事記、百人一首、源氏物語、枕草子、平家物語、奥の細道など、多数の古典関連書籍の編集、執筆を担当し、古典のおもしろさに目覚めました。柳田國男検定・初級合格(こんな検定あるんですよ、笑)。趣味はベランダガーデニング。
大学時代は軽音楽部だったので音楽が好きです。
著書に『二十四節気のえほん』(PHP研究所)、『はじめてであう古事記』上下巻(あすなろ書房)があります。お仕事のご依頼、ご相談などございましたら、お問い合わせフォームからお願い致します。