【二十四節気】啓蟄の意味、行事、春の植物、春の匂い  2022年3月5日〜3月20日

啓蟄(けいちつ)とは

啓蟄は、土の中にこもっている虫(蟄)が、戸を開いて出てくる(啓)という意味。ここでいう「虫」とは、カエルやヘビのこと。古代中国ではカエルやヘビなども「虫」と考えられていました。

卒業式シーズン

彼岸の入り(3月18日)があるくらいで、これといった行事はありません。あえていうなら、卒業式シーズンです。9月から新学期が始まる海外の国々と違い、日本はお米作りが生活基盤となってきたので、4月が新年度となります。よって、この時期が卒業式シーズンとなりました。

啓蟄の植物

毎年この時期になるとジンチョウゲの花がかおり、ツクシも見かけたのですが、2022年はまだ気配がありません。今年は梅の開花も例年より13日前後遅れているので、3月21日の春分の頃にようやく春めいてくるのかもしれません。

春の匂い

春先になると思い出すのが、高校2年生の終わり、山手にある友人宅に遊びに行った帰りぎわに感じた春の匂いです。今にも発火しそうなガス匂いとともに、先輩方が卒業していった清々しい寂しさを思い出します。友人は「新芽の香りだ」と言っておりましたが、あれは何だったんだろう? ちょっと調べてみたところ、春先にガスのような匂いを放つ植物がありました。

ヒサカキ
神事に使うサカキ科の植物。椿、サザンカなどと同じ常緑樹で、東日本では神事に使われるサカキが少ないため、その代用とされてきた。春先に黄色味を帯びた花を咲かせるが、ガスに似た匂いを放つ。山野や神社の鎮守の森に生えている。

今はまだ花が咲いていないので確かめようがないのですが、もう一度のあの匂いを追い求めてみたい2022年の春先です。ちなみ松任谷由実さんのラジオ3月4日の放送で、ユーミンが春の匂いについて
「動物的な懐かしさを刺激する独特のバイブレーション」
と表現されていて、思わずメモりました。

この記事を書いた人

西田 めい

西田めい(にしだめい)
書籍編集者、ライター。大阪の編集プロダクション勤務から2022年4月に独立。
古事記、百人一首、源氏物語、枕草子、平家物語、奥の細道など、多数の古典関連書籍の編集、執筆を担当し、古典のおもしろさに目覚めました。柳田國男検定・初級合格(こんな検定あるんですよ、笑)。趣味はベランダガーデニング。
大学時代は軽音楽部だったので音楽が好きです。
著書に『二十四節気のえほん』(PHP研究所)、『はじめてであう古事記』上下巻(あすなろ書房)があります。お仕事のご依頼、ご相談などございましたら、お問い合わせフォームからお願い致します。