雪解けの目安
二十四節気でいう「雨水」は、雪が雨に変わる頃。田畑の土の氷も溶けて潤ってくるので、冬の間は眠っていた道具の手入れを始めるなど、農耕開始の目安になっていました。
一昨日から昨日は日本海側は雪の予報も出ていて、最後にひと雪くるか?と身構えていたのですが、兵庫県南部に雪が積もることはなく、今年の冬も終わっていきそう。
子どもの頃の雪の記憶
ウチの息子は、雪が積もると思って楽しみにしていたようです。おそらく保育所で読んでもらっていてウチにもある絵本『ゆきのひ』(偕成社)の影響かな? ピーターという可愛い黒人の坊や(ちょうど息子と同じ4歳〜5歳くらい)による雪の日の驚きや喜びが素朴に表現されている絵本で、不思議な味わい深さがあります。どうやらコルデコット賞をとっている本(アメリカの年間最優秀絵本賞)らしいです。
私は寒いのが苦手なので雪は勘弁、、と思ってしまうのですが、この絵本を読んでいると
そういえば、私が子供の頃は年に1回は雪が積もる日があったなあ、と思い出しました。雪合戦してから学校行ったりしていたなあ。稲を刈り取った後の田んぼでサッカーして遊んでいたなあ、とか、畦道の霜ばしらを踏んだ時の「ザクッ」とした感覚がふとよみがえりました。
住んでいる場所によるのですが、今住んでいる地域は田んぼや畦道がないので、霜ばしらを見つけることが難しそうです。にもかかわらず、「霜ばしらを踏むといい音がする」と息子が言っていたのでビックリしました。どうやら「しまじろうのこどもチャレンジ」のDVDで得た知識だったようです。ならば、霜ばしら体験をさせてやりたいな、とも思うのですが、近年は凍てつくほど冷え込まなくなりました。マジで温暖化を感じます。こうなると、1年に1回くらいはやっぱ雪が積もる日があってもいいかもしれないと思えてきます。
2020年旧暦3月3日「ひな祭り」は、3月26日の三日月の夜
さて、雨水の頃の行事は、五節句のひとつ、3月3日のひな祭りです。旧暦では三日月の夜、桃の木の力で邪気を払う行事でした。それが桃の花を飾って女の子の成長をお祝いする行事に変わっていきました。
ただし、現在の3月3日はまだ桃の花が咲いていません(もしかしたら温暖化の影響で咲いてるかもしれないけど)。そもそも五節句(人日の節句、上巳の節句、端午の節句、七夕の節句、重陽の節句)はすべて旧暦の日付のまま新暦に移されたので、1ヶ月くらい早く行事を行っていることになるのです。このズレは1872年12月3日から新暦に切り替えたことによって生じています。『旧暦カレンダー』を発行している松村賢治先生は「五節句のズレが日本人の季節感を狂わせている元凶だ」と言われていました。私もそう思います。
が、3月3日のひな祭りは、なんか息子も楽しみにしているみたいだし(女の子の節句だから本当は関係ないけど)、ノンアルの白酒とちらし寿司くらいは出してあげよかなと思っています。
2020年旧暦の3月3日は、2020年3月26日の三日月の夜です。「本当はこの日なんだー」と思いながら、こっそり白酒を飲むのも乙なものかもしれません。覚えていたら。
次回は
啓蟄(けいちつ)3月5日~3月19日