夏至の意味
今日から二十四節気でいう夏至です。地球の北半球にある日本では、春分で昼の長さが夜とほぼ同じになり、その後は昼が長くなっていきます。そして夏至の日に1年で一番昼が長い日となります。
一年で一番夜が長い冬至の頃と夏至の頃の日照時間は、約4時間もの差(場所によっても違う)があります。朝早く起きて活動したり、夕涼みに出かけたりして、太陽が出ている時間を有効活用したいところです。とはいえ、日本では梅雨の真っ最中で、雨雲で空が曇っていると夕暮れが19時過ぎになっていることに気がつきにくいかもしれません。
チガヤはサトウキビの仲間
夏至の時期、日本各地の神社で行われる「夏越の祓え(なごしのはらえ)」は、半年分の穢れを祓う神事です。神社の境内にはチガヤでこしらえた大きな輪っか「茅の輪(ちのわ)」が設置され、参拝者は茅の輪をくぐることによって災厄を祓い清めます。
以前、「茅の輪くぐり」とヤマタノオロチ退治の神話で有名なスサノヲとのつながりを書いたのですが、今回は茅の輪に使用されているチガヤについて。
チガヤという植物は、イネ科チガヤ属の植物。『万葉集』『古事記』にも茅花(ちばな)やツバナ(またはツバラ)、浅茅原(あさぢはら:チガヤが生えている原のこと)という名前で登場します。ちょうど今頃に水辺でフワフワの花穂を出したチガヤを見ることができます。チガヤはサトウキビの仲間で糖分を蓄える性質があるらしく、昔はおやつ的な感覚で食用されていたとか。食用できる部分は若い花穂で、白くフワフワの状態になっているものは食べ頃を過ぎています。5月頃、まだ葉に包まれている状態の若い花穂を取り出して口に含むとほのかな甘味が感じられるということです。今年は食べ損ねてしまったので、来年はチャレンジしてみたいと思ってます。