立秋(りっしゅう)8月7日〜22日

暦の上では秋が始まる頃

二十四節気でいう立秋は暦の上では秋が始まる頃。
とはいえ、今年は7月末日まで梅雨が長引いたのでやっと先週から夏が始まったという感覚ではあります。しかもこの暑さは来週も続くとか。
立秋から「残暑」ということになりますが、いまいちピンとこない2020年の夏です。
立秋はお盆を挟みます。8月13日〜16日のお盆は、ご先祖様の魂が帰ってくる大切な年中行事です。13日の「迎え盆」では夕方に迎え火をたいてご先祖様の魂をお迎えし、
16日は「送り盆」と呼び、送り火をたいてご先祖様の魂を送り出します。
今年は京都五山の送り火「大」の字を何者かが無断で点灯するという事件が起こり、
保存会の方々が激怒していましたね。

五山の送り火

お盆の由来

お盆の始まりは仏教に由来します。「お盆」は盂蘭盆会(うらぼんえ)という言葉から生まれた言葉で、そもそもはインドのサンスクリット語で「逆さ吊りの苦しみ」を意味する「ウラバンナ」という言葉が起源です。つまりお盆とは、「逆さ吊りのような苦しみにあっている人々を救う法要」という意味があったようです。これに関するエピソードとして、釈迦の弟子である目連が地獄におちて苦しんでいる自分の母親を助けようとする話があります。目連が釈迦にすがると釈迦は「母親を救うことばかり考えず、すべての苦しむ人々を救おうとする気持ちをもちなさい。そのためには僧侶の修行の区切りである7月15日(旧暦の満月)に供物を捧げて供養し、功徳を積みなさい」と助言しました。これがお盆の始まりとなったということです。

日本でのお盆の始まり

お盆は仏教とともに日本に入って来たようで、日本で初めてお盆の法会を行なったのは推古天皇とされています。606年、7月15日に推古天皇が執り行った斎会(さいえ)が日本初のお盆になったという説があります。

2020年立秋の日記

おうちでカフェ

昨日と今日あたりは残暑どころかすごい猛暑。最近は新型コロナの影響で購入前の本を持ち込めていたカフェがことごとく持ち込み禁止になり、これは私にとってマジで楽しみが奪われた状態になっています。もうこうなるとお家でカフェ気分を味わうしかない。レイチェルカーソンの『センス・オブ・ワンダー』を読みました。なんか素敵な写真入りの散文みたいな本で、昔読んでいた銀色夏生さんの詩集を思い出しました。これからは息子とともに自然と触れ合う時間を増やしていきたい。そう思わせてくれる本でした。

カブトムシは息子のオモチャです。ガチャポンの景品でした。

次回は
処暑(しょうしょ) 8月23日〜9月6日

この記事を書いた人

西田 めい

西田めい(にしだめい)
書籍編集者、ライター。大阪の編集プロダクション勤務から2022年4月に独立。
古事記、百人一首、源氏物語、枕草子、平家物語、奥の細道など、多数の古典関連書籍の編集、執筆を担当し、古典のおもしろさに目覚めました。柳田國男検定・初級合格(こんな検定あるんですよ、笑)。趣味はベランダガーデニング。
大学時代は軽音楽部だったので音楽が好きです。
著書に『二十四節気のえほん』(PHP研究所)、『はじめてであう古事記』上下巻(あすなろ書房)があります。お仕事のご依頼、ご相談などございましたら、お問い合わせフォームからお願い致します。