【古代ファッション】ストールは富の象徴であり魔法アイテムだった!

今週から急に寒くなってきました。この時期から活躍するファッションアイテムがストールです。ストールをゆったりとまとうだけであったかいし、なんだか贅沢な気分になるものです。


とはいえ、贅沢な気分になるのは気のせいではありません。
そもそも、布をまとうこと自体が贅沢なことだったのです。古代から見れば。

ヒレを振ることは呪術だった

古代にもストールのように、肩からかけて身にまとう女性のファッションアイテムがありました。それが、領巾(ヒレ)です。

3、4世紀頃からあったらしく、『日本服飾史 女性編』(光村推古書院)によると「肩から垂らした領巾は女性の豊かな感情表現に役立つこともあった」そうです。おそらく巫女さんが神事行う時などに、神秘的な感じを出すのに一役かったと思われます。

アメノウズメの衣装の復元。肩にかかっている白い布がヒレ。
奈良時代は女官の制服としてヒレが設定されていました。

『古事記』にもヒレが登場する場面があって、根の堅洲国でスサノオに様々な試練を課せられたオオナムヂ(のちのオオクニヌシ)にスセリビメは魔法のヒレを授けます。このヒレでオオナムヂはピンチを脱出するのです。ヒレは魔法のアイテムになるほど、人々の心をくすぐるアイテムだったのではないでしょうか。

布は贅沢品として宮中に納められていた

また、古代は税金として布を収める地域もあったので、地方の人々が必死に仕立て上げた布を宮中の貴人はゆったりと身にまとってみせたのかもしれません。まさに富の象徴だったのです。

機械で布を織ることができる現代では、布のありがたみは薄れつつあります。しかし、ストールをふんわりと首や肩にまとう時は、布をまとう喜びをちょっと思い出してみると、なんだかありがたみが増すというもの。

まとめ
ストールを肩にかけることは
女性にとってちょっとした贅沢。

こんな些細なことで贅沢気分が味わえるなら、
どんどんストールをまとっていくべし。

この記事を書いた人

西田 めい

西田めい(にしだめい)
大阪の編集プロダクション勤務。書籍編集者。
古事記、百人一首、源氏物語、枕草子、平家物語、奥の細道など、多数の古典関連書籍の編集、執筆を担当し、古典のおもしろさに目覚めました。
趣味はベランダガーデニング。
大学時代は軽音楽部だったので音楽が好きです。
著書に『二十四節気のえほん』(PHP研究所)があります。