日本最古の神社のひとつで、古代豪族・物部の総氏神
奈良県天理市にある石上神宮(いそのかみじんぐう)に行って来ました。石上神宮は日本最古の神社のひとつで、古代豪族・物部氏(もののべ し)の総氏神として古代より信仰されてきた古社です。
物部氏は古代ヤマト王権でおもに祭祀をつかさどる氏族でした。「もののべし」の「モノ」は精霊や霊魂を意味する言葉です。「もののけ」の「モノ」と同じ意味合いです。石上神宮から山の辺の道で繋がっている大神神社(おおみわじんじゃ)の御祭神であるオオモノヌシの「モノ」という言葉にもこのニュアンスが含まれています。
今回は車で行きました。石上神宮の近くに駐車場があるのでありがたかったです。まずは、近くの農家カフェで腹ごしらえしてから、境内へ。
神さびた境内を歩き、御神鶏とともに雨宿り
足を踏み入れてみると、「神さびた」という表現がこれほどしっくりくる場所もめずらしい。常緑樹に囲まれた静かな境内は、犬の散歩がてらに立ち寄っているような地元の人々や、たまに私たちのような来訪者の姿がある程度で人影はまばら。
ただし、ニワトリがおる!(笑)。 ちょっとビックリしました。石上神宮の境内ではニワトリが放し飼いにされていました。これは物部氏が「天の岩屋開き神話」に関わっていることも関係しているようで、「天の岩屋開き神話」では「常世の長鳴鳥(ながなきどり・つまりニワトリのこと)を集めて鳴かせる」ことから神々のアマテラス引っ張り出し作戦が始まります。この神話よりニワトリは御神鶏として神道において大切にされる存在だということです。
ちょうどこの日は午後から急激な秋雨が降って来ました。東屋に逃げ込んで雨宿りしていたら、雨がいよいよ本降りになると後からニワトリたちもドヤドヤと入り込んで来て、一緒に雨宿りしました。ニワトリって雨宿りするんですね(笑)。
そもそもオオクニヌシがつくった葦原中国(あしはらのなかつくに)は動物やカカシや人間が話をする混沌とした世界だったよなあ、ってことをなんなーく考えていました。それを雲の上から見ていたアマテラスが「葦原中国は私の子がおさめるべき国だ。しかし、荒々しい神々がたくさんいる。どの神を遣わせて服従させようか」ってことを言い出したことからオオクニヌシの国ゆずりにつながっていきます。じつは物部氏とオオクニヌシ神話の舞台となった出雲国は関連があります。
その辺りのことと、物部氏がなぜ没落していったかについては次回にしようと思います。