石上神宮:物部氏の総氏神社で神鶏と雨宿り

日本最古の神社のひとつで、古代豪族・物部の総氏神

奈良県天理市にある石上神宮(いそのかみじんぐう)に行って来ました。石上神宮は日本最古の神社のひとつで、古代豪族・物部氏(もののべ し)の総氏神として古代より信仰されてきた古社です。

息子は昆虫採取のつもりで来ている。。

物部氏は古代ヤマト王権でおもに祭祀をつかさどる氏族でした。「もののべし」の「モノ」は精霊や霊魂を意味する言葉です。「もののけ」の「モノ」と同じ意味合いです。石上神宮から山の辺の道で繋がっている大神神社(おおみわじんじゃ)の御祭神であるオオモノヌシの「モノ」という言葉にもこのニュアンスが含まれています。

御祭神は神武天皇のピンチを救った剣の神・布都御魂大神(ふつのみたまおおかみ)、ニギヤハヒノミコト降臨の際にもたらされた十種の天璽瑞宝(あまつしるしのみづたから)、スサノオがヤマタノオロチを退治した天十握剣(あめのとつかのつるぎ)。総称して石上大神(いそのかみおおかみ)と仰ぐ。

今回は車で行きました。石上神宮の近くに駐車場があるのでありがたかったです。まずは、近くの農家カフェで腹ごしらえしてから、境内へ。

農家カフェけやき
カレーランチ1380円〜、スペシャルランチ1500円〜。

神さびた境内を歩き、御神鶏とともに雨宿り

足を踏み入れてみると、「神さびた」という表現がこれほどしっくりくる場所もめずらしい。常緑樹に囲まれた静かな境内は、犬の散歩がてらに立ち寄っているような地元の人々や、たまに私たちのような来訪者の姿がある程度で人影はまばら。

ただし、ニワトリがおる!(笑)。 ちょっとビックリしました。石上神宮の境内ではニワトリが放し飼いにされていました。これは物部氏が「天の岩屋開き神話」に関わっていることも関係しているようで、「天の岩屋開き神話」では「常世の長鳴鳥(ながなきどり・つまりニワトリのこと)を集めて鳴かせる」ことから神々のアマテラス引っ張り出し作戦が始まります。この神話よりニワトリは御神鶏として神道において大切にされる存在だということです。

ちょうどこの日は午後から急激な秋雨が降って来ました。東屋に逃げ込んで雨宿りしていたら、雨がいよいよ本降りになると後からニワトリたちもドヤドヤと入り込んで来て、一緒に雨宿りしました。ニワトリって雨宿りするんですね(笑)。

雨宿り中のニワトリに地元の方がエサをあげていた

そもそもオオクニヌシがつくった葦原中国(あしはらのなかつくに)は動物やカカシや人間が話をする混沌とした世界だったよなあ、ってことをなんなーく考えていました。それを雲の上から見ていたアマテラスが「葦原中国は私の子がおさめるべき国だ。しかし、荒々しい神々がたくさんいる。どの神を遣わせて服従させようか」ってことを言い出したことからオオクニヌシの国ゆずりにつながっていきます。じつは物部氏とオオクニヌシ神話の舞台となった出雲国は関連があります。
その辺りのことと、物部氏がなぜ没落していったかについては次回にしようと思います。

雨宿り中、地元の人がニワトリのエサを分けてくれたので、息子はエサやり体験をさせてもらいました。

まとめ
石上神宮には、日本が律令国家になっていく前の姿が残っている(ような気がした)。

この記事を書いた人

西田 めい

西田めい(にしだめい)
大阪の編集プロダクション勤務。書籍編集者。
古事記、百人一首、源氏物語、枕草子、平家物語、奥の細道など、多数の古典関連書籍の編集、執筆を担当し、古典のおもしろさに目覚めました。
趣味はベランダガーデニング。
大学時代は軽音楽部だったので音楽が好きです。
著書に『二十四節気のえほん』(PHP研究所)があります。