先日、とっても悲しいことがありました。
私はその人の死が受け入れ難く、葬儀や通夜に行くことができませんでした。
そんな私にとって救いになっているのが、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ(日本での通称:レッチリ)にギタリストのジョンフルシアンテが戻ってきて、活動が再開されたことです。最新アルバム『Unlimited Love』は2019年末にジョンが3度目の復帰をするニュースを聞いてから待ちに待っていたので、全曲味わい深い。ついでに過去の曲も聞いていたら、今の悲しみにものすごく寄り添ってくれる曲があるわけです。3曲挙げてみたいと思います。
1位 Venice Queen / ヴェニス・クイーン
8thアルバム『BY THE WEY』の一番最後の曲で、アルバムで聴くと普通だと思っておったのですが、スレインキャッスルライブのパフォーマンスは素晴らしくて泣けてきます。
歌詞も秀逸です。私はニコニコ動画で和訳歌詞を見てより一層ハマりました。ボーカルのアンソニーを薬物中毒から救った年配の女性友達(自助ミーティングで出会ったらしい)、肺がんで亡くなったグロリア・スコットについて歌われています。
(歌詞の一部抜粋)
東から西へ旅しているのだろうか。
魂は体から解放され、戻ることもできない
新たにやり直すために戻ってきて
もう一度故郷を見つけるためにそうしているうちに、今、
涙が網目をすり抜けてこぼれ落ちる
神に祝福されるための手続き
絵のように美しくて去りがたい
自由に歩き回れる形を見つけよう
Goodbye so long(さよなら、また会う日まで)
歌詞の最後の言葉のように、私もそう思えたらいいんだけど。。。
2位 Otherside/ アザーサイド
7thアルバム『Californication』に収録。こちらもスレインキャッスルのライブを。ジョンのコーラスがより一層エモくて胸アツです。レッチリの初代ギタリストであり、アンソニーとフリーの親友でもあったヒレル・スロヴァクについて歌ったものと思われます。オーバードーズで若くして亡くなったヒレル、そしてアンソニーが今も抱える苦悩。誰だって、アザーサイドを抱えて生きているよね、、、と。
(歌詞の一部抜粋)
いつまで滑り落ちるんだろう?
ああ、俺の世界から離れていく
でも信じられない
それが悪いことだなんて
喉をかき切って打ち明ける
これが俺のすべて写真からお前の声が聞こえて
過去に引き戻されたみたいだ
一度知ったら、もう戻れない
「向こう側」を引き受けなきゃならない
3位 My Friends/マイフレンズ
6thアルバム『One Hot Minute』に収録。ジョン脱退1回目に当たるデイヴ・ナヴァロ時代の名曲。デイヴも深い悲しみを抱えている人だしなあ(デイヴは15歳の時に母親が元恋人に殺害された)。ギターソロが胸に刺さります。親友リバーフェニックスを失ったフリーが、アコースティックギターで作った曲。
(歌詞の一部抜粋)
元彼女が電話してきた
刑務所からの電話、その孤独と絶望
彼女には7年の刑君の全部を愛しているよ
自分が誰だかわからない時は
つらいし寂しいよな
いや、
Under The Bridge/ アンダーザブリッジ
(5thアルバム『Blood Sugar Sex Magik』の名曲)
Dark Necessities/ダーク・ネセシティーズ
(11thアルバム『The Getaway』に収録)
も悲しくて沁みるけど。レッチリはアンソニーの歌詞も味わい深いので、リリック本(日本語で)出して欲しいです。
アンソニーの歌詞の背景をより深く理解するために欠かせないのが、
アンソニーの自伝書『スカー・ティッシュ アンソニー・キーディス自伝』(シンコーミュージック) です。
(確かにかなり刺激的な内容なので、我が家では子供に見えない場所に置いてます)
半分以上すぎたくらいで、18歳のジョン・フルシアンテも登場。
知られざるジョンの姿がいっぱいあるのでジョン推しの私は大満足です。
1992年のジョン脱退時、アンソニーとジョンには確執があったけど、
1998年くらいから薬物依存治療をしているジョンの元にアンソニーが訪れるようになり、二人はLAのファーマーズマーケットでサーモンタコスを食べながら話し合い、ジョンはレッチリに復帰します。
多分、これレッチリの歴史上に残る名シーンでしょう。