春分(しゅんぶん)3月20日~4月3日

二十四節気の春分について。

昼と夜の長さが同じくらいになる

春分の日は毎年3月21日頃で(2020年は3月20日)、昼と夜の長さが同じになる頃です。以降は、日照時間が長くなり夏至で昼が一番長い日を迎えます。その後は日照時間が短くなり、秋分でまた昼と夜の長さが同じになります。春分と秋分の日は「国民の祝日」に指定されています。

春の彼岸は「ぼたもち」

春分は「春の彼岸」の中日にあたります。彼岸の頃は太陽が真東から昇り、真西に沈むことから、西方にある極楽浄土と交わることができると考えられていたのです。よって、春分の日を中日として、その3日前を「彼岸入り」、3日後を「彼岸明け」としてこの7日間の「春の彼岸」にお墓まいりに行く風習が根付きました。ちなみに春の彼岸でお供えする小豆餅は、ボタンの花が咲く頃とされているので「ぼたもち」です。秋の彼岸ではハギの花が咲く頃なので「おはぎ」です。

「菜の花や月は東に日は西に」は春分の頃の俳句

与謝蕪村の句
菜の花や月は東に日は西に
この与謝蕪村の句は、春分のころに読まれた句でしょう。
夕日に手を合わせて後ろを振り返ると、そこには大きな満月が! 広い野原か峠道での天体ショーに感動した句なのでしょう。

『旧暦と暮らす スローライフの知恵ごよみ』松村賢治(文春文庫)

とても素敵な春分の夕暮れの景色だと思います。いつかこんな情景を体験してみたいもんです。

 

次回は
晴明(せいめい)4月4日〜18日

 

この記事を書いた人

西田 めい

西田めい(にしだめい)
書籍編集者、ライター。大阪の編集プロダクション勤務から2022年4月に独立。
古事記、百人一首、源氏物語、枕草子、平家物語、奥の細道など、多数の古典関連書籍の編集、執筆を担当し、古典のおもしろさに目覚めました。柳田國男検定・初級合格(こんな検定あるんですよ、笑)。趣味はベランダガーデニング。
大学時代は軽音楽部だったので音楽が好きです。
著書に『二十四節気のえほん』(PHP研究所)、『はじめてであう古事記』上下巻(あすなろ書房)があります。お仕事のご依頼、ご相談などございましたら、お問い合わせフォームからお願い致します。