雨水(うすい)とは
雨水は雪が雨に変わり、氷が溶け出す頃。その年の農作業を始める目安とされてきました。しとしと雨が降るような天気でも、お日様が顔を出すとぽかぽかあたたかい。季節はひと雨ごとに春に近づいていきます。
雨水の時期の俳句
梅一輪一輪ほどの暖かさ 服部嵐雪
『暮らしの中の二十四節気 丁寧に生きてみる』黛まどか (著) /春陽堂書店 (2021/10/19)、の本で俳句を勉強しておりまして、忘備録も兼ねて少し引用させてください。
嵐雪は芭蕉十哲の一人で、宝井其角と並び称された高弟。少しずつ寒さが緩んでくるのを、「梅が一輪また一輪とひらくほどに」と喩えた。既に暦では春が立っているだけに、行きつ戻りつする季節にもどかしさすら覚える。「梅一輪」には、切ないまでの春へ期待感も込められている。右の句が広く人口にの膾炙(かいしゃ)するのは、その実感が美しい梅のほころびに託されて見事に捉えられているからだろう。雨水の頃は、春一番が待ち遠しい季節でもある。
『暮らしの中の二十四節気 丁寧に生きてみる』黛まどか(春陽堂書店)
まさに、今日、まだ咲き始めたばかりの梅の花を見てそう思っていたところです! この他に雨水の項目には3句掲載されていて、黛まどかさんの体験も交えた解説も、とっても味わい深いです。
雨水の行事は「ひな祭り」
雨水の終盤には3月3日の「ひな祭り」があります。つい最近、私はひな人形に関する新発見がありました。息子が保育所でひな人形を飾っていたらしく、「ひな人形のなかに怒り上戸(じょうご)がおるんやで」と言うので「??」「は? そんなのいないから」とか軽くかわしていたのですが、念のために調べてみると……。おった!! ホンマにおった!
七段ひな飾りの五段目。
仕丁(じちょう)と呼ばれる三人の顔をよくみると、
向かって左の人は怒った顔で台傘を持っていて、
真ん中の人は泣いた顔で靴台を持っていて、
右の人は笑った顔で立傘を持っている。
その表情から「怒り上戸」、「泣き上戸」、「笑い上戸」の「三人上戸」と呼ばれているそうな。
まだまだ知らないことあるんだなあ〜と思った出来事でした。