兵庫県立美術館【略して県美(ケンビ)】の
『開館50周年 今こそGUTAI 県美の具体コレクション』
に行ってきました。これ、もう2021年2月7日までなんです、あしからず。
「具体」は1954年に兵庫県芦屋市を中心に発足したアート集団です。
「精神が自由であることを具体的に提示すること」
これが「具体」リーダー・吉原治良の理念でした。
一歩間違えればコントみたいなヘンテコなこともしている集団ですが、
2004年、兵庫県立美術館で行われていた具体50周年回顧展に行ってからけっこう好きです。
今回は兵庫県立美術館の50周年を記念して、県美が所蔵している具体コレクションの展示でした。
著作権を侵害しない範囲で撮影がOKされているのがうれしかったです。
とにかく、
アートって何だろう?
って考えてしまう展示でした。
この問いに対しての答えが、
「具体」リーダー・吉原治良の言葉にあるような気がします。
(具体美術についての答えですが)
吉原治良は「具体美術宣言」につぎのように書いた。
「具体美術においては人間精神と物質とが対立したまま、握手している。物質は精神に同化しない。精神は物質を従属させない。物質は物質のままでその特質を露呈したとき物語りをはじめ、絶叫さえする。物質を生かしきることは精神を生かす方法だ」
(中略)
「大切なのは結果ではなく、物質のなかに自分の軌跡を残すような行動にあると考える」※『「具体」って何だ? 結成50周年の前衛美術グループ18年の記録』(美術出版)より
あ、だから足で絵を描いたり、大きなつい立てに張った紙を体で突き破りながら走ったり(←これは本当にコントみたいW)、絵の具の入ったビンを投げつけたりしてたのか!
なんとなくわかったような??
1955年芦屋公園で行われた野外展示の作品もありました。作品のレプリカでもいいからまた野外展示をやってほしいなあ、と思ったけど、
「イヤ、具体美術ならレプリカじゃダメだ」と思い直した。
たぶん、この物質をアートにした人のエネルギー(精神)が必要なんだと思った。これらの作品は野外展示されていたとき、作者のエネルギーを得て生きていたんだろう。
今、私が美術館で見ているのはまるで遺骨みたいだ。
それでもこの物質のなかに作者の精神の軌跡は残って、
アートとして存在している。作者は死んでも、その精神がアートとして
残り続けるのってなんかすごいですね。
まとめ
アートって何なんだろう? この視点をもつことで、すべてがアートに見えてくる。不思議なもんです。