『日本の城と城下町』からの気づき  優れた城主は禅を極めている

フリーランス1年目、ボチボチ仕事もやっております。

リビングの一角で仕事。事務所とか構えてみたいもんですね。

今年になってやっと去年に一部、原稿執筆に参加したものがいくらか出版されました。
『図説 日本の城と城下町6 松山城』(創元社)2023年4月刊
『図説 日本の城と城下町7 彦根城』(創元社)2023年7月刊
まあ、「今ごろ言うな」てツッコミたくなるくらいタイムラグありますけど。

彦根城の取材に行ったのは1月末。
10年に一度の寒波がやってきて、JR京都線から琵琶湖線が積雪で立ち往生した直後くらいだったと記憶しております。ものすごく寒い日、彦根城内にある日本庭園「玄宮園」の茶室で和菓子と抹茶をいただいたのは心温まる思い出になりました。

今までなんとなく侍と茶の湯文化が(自分にとって)結びつきにくかったけど、この抹茶はカテキンやカフェインがいっぱいで頭がシャキッとするし、まるで健康ドリンクみたいなものだったのかもなぁ、と。今でいうと筋肉ムキムキの人がプロテインを飲む感じか?? 和菓子も武闘派にとっては必要な糖分だっただろうし。茶の湯が武家社会で主従関係を強化する意味があったことは頭で理解していたんだけど、感覚的に腑に落ちることができた気がします。

玄宮園の茶室から彦根城を望む。

あと、この城のシリーズの仕事をやっていて気がついたことは、
「優れた城主は禅を極めている」ってことです。
彦根城で最も有名な城主、井伊直弼しかり。松江城の不昧公しかり。
そもそも千利休の侘茶が、禅の思想を取り込んだものだったからなんでしょうけど。

最近は自由な時間を手に入れても、
ほしかった物を手に入れても、なんか満足できなかったりするもんで。
昔、萬福寺(京都府宇治市)の1日座禅体験に行った後の感覚が思い出されます。
「姿勢と、呼吸と、心を、整えること」
あの日はそれができた気がしたんだけど。

この記事を書いた人

西田 めい

西田めい(にしだめい)
書籍編集者、ライター。大阪の編集プロダクション勤務から2022年4月に独立。
古事記、百人一首、源氏物語、枕草子、平家物語、奥の細道など、多数の古典関連書籍の編集、執筆を担当し、古典のおもしろさに目覚めました。柳田國男検定・初級合格(こんな検定あるんですよ、笑)。趣味はベランダガーデニング。
大学時代は軽音楽部だったので音楽が好きです。
著書に『二十四節気のえほん』(PHP研究所)、『はじめてであう古事記』上下巻(あすなろ書房)があります。お仕事のご依頼、ご相談などございましたら、お問い合わせフォームからお願い致します。