ゆるい表現には理由がある
in 龍谷ミュージアム「日本の素朴絵」展
今週は遅めの夏休み(もはや秋休み)が3日ありました。
そこで1日は京都で心ゆくまで遊ぶことに。
まず、龍谷ミュージアムの「日本の素朴絵ーゆるい、可愛い、楽しい美術ー」展に行きました。
一言でいうと、行ってよかったです!
テンションが上がったので一人で行ってたにも関わらず、
撮影パネル前で写真を撮ってもらいました(笑
このパネルになっている人は、「かみ代物語絵巻」の1場面に出てくる人物。
展示作品の解説で「逆関節気味の身体表現も見どころ」的な
ことが書いてあったのですが、
おそらくこの人物のことだと思われます。確かに、よく見ると釣り針を持った手が変な方向に曲がってます。
そしてこの人物は誰なんでしょうか??
ちょっとわからずじまいでした。
展示の「かみ代物語絵巻」は、
『古事記』にも出てくる「海幸山幸」の神話で、亡くした釣り針を発見して地上に帰る場面です。おそらく龍(古事記ではサメ)に乗っているのがホヲリ(山幸)だから、釣り針を持っているのはシオツチの神なのかなあ? いずれにせよ、釣竿を持っている人物が微笑ましいくらい浮かれていることは伝わってきます。
全体を通して、寺社の縁起絵巻では字が読めない庶民にもわかりやすく親しみをもってもらうためとか、地獄絵では怖くなりすぎないように、絵本では子どもも親しめるように、など、ゆるい表現にはやはり必要性があるんだな、ってことを見ていて思いました。我々が本をつくる時も、難しい内容を簡単に見せるためにマンガにしたり、ゆるいイラストにするなど、見せ方を考えます。
丸太町駅の近く、絶品ランチ「イルコンタディーノ」
その後、地下鉄で丸太町まで移動。フラリと入ったお店のランチが絶品でした。
あとでお店の名前を調べると
「タヴェルナエバール イルコンタディーノ」というお店で、
火曜と金曜だけランチをしている模様。
グランデプレート1000円(税込)は本当にお値打ちでした。
パスタも写真では伝わりにくいのですが、カニの身やホタテなど海の幸がぎっしり詰まったオイルパスタです。
「月と六ペンス」でコーヒーと読書タイム
お次は京都御所の南側、「月と六ペンス」へ。
京都ではもはや有名なブックカフェだと思います。看板が出ておらず、レトロなビルの2階にひっそりとあるお店なので入るのにちょっと勇気が入ります。お店のメニューに撮影を控えてほしい、との一文があったので店内の写真はナシです。たまたま手に取ったの本は『フランス人と気の長い夜ごはん』(酒巻 洋子 著、産業編集センター)。美味しいコーヒーとその場ならではの本との出会いは至福のひとときです。
そしてお店オリジナルのブックカバーをいただきました。これ、欲しかったんですよねー!
このあたりでこの日は時間切れ。飛んで帰って保育園に迎えに行きました。
まとめ
マジな時ほどユーモアを。
これが、私が「日本の素朴絵」展から受け取ったメッセージです。
一生懸命な時、すごいプレッシャーがある時、ついついマジになってしまうのですが、そういう時ほど肩の力を抜くことが大事だと思いました。
もう1つ。
サマセット モームの「月と六ペンス」を読め。
お店の名前そのものがメッセージだったんじゃないかと。私はこの作品を読んだことがなく、ぼんやりとフランス文学かと思っていたのですが、会社でこの話をしていたところ、イギリス文学ということがわかりました。あれ、イギリスってことは、、六ペンスってもしかして硬貨のこと? 私は「月とサスペンス」のノリで発音していたことが急に恥ずかしくなりました(笑)。画家のゴーギャンの人生が題材になっていて、月は芸術を、六ペンスは世俗的なものを象徴しているとか。できるだけしっくりくる和訳の本を探そう。