映画『クリエイション・ストーリーズ 世界の音楽シーンを塗り替えた男』は、1990年代、オアシスを筆頭に、プライマル・スクリームなど数々のUKポップミュージックを仕掛けたレーベル「クリエイション・レコーズ」の創設者アラン・マッギーの波瀾万丈な人生を、『トレインスポッティング』の製作陣が映画化したもの。
簡単なあらすじ
スコットランド生まれのアランは保守的な父親と衝突してばかり。ついに家出をしてロンドンに旅立ち、アランは人気バンドを生み出していくレーベルを運営し、その才能を開花させていく。ついに世界的ロックスターとなるオアシスを見出し、アランは時代の寵児となるが、一方でドラッグ中毒をこじらせていく。しかし、友人や家族の支えによって持ち直す話。
ドラッグ的表現は満載だけど、小気味いいい
朝9時20分のシネリーブル梅田の上映だったので、観客10人くらいでかなり快適でした。
まあ、「トレインスポッティングの製作陣」と聞いていたので、「ドラッグ的な表現は出てくるだろう」とある程度思っておりましたが、やっぱり満載(←朝から見る映画じゃない)。かなりぶっ飛んだ内容なのでちょっと感情移入しづらいものの、音楽の選曲は抜群のセンスだし、テンポよく進むので引き込まれていきます。
唯一の理解者だった母親が亡くなるシーンは、観衆がしっとりと泣ける時間をちゃんと確保してあったように感じました。オアシスを見つけるシーンは後半、「満を辞して」登場してきた感があります。
UKポップミュージックの背景が体感できる
主人公のアランはデヴィッド・ボウイに憧れてロッカーを志し、その後セックス・ピストルズに感化されてバンドを始めます。イギリスのクラブでアシッド・ハウスの大ブームが起きてる背景とかも興味深かったです。その前後あたりにドラッグでヘロヘロになっていたら、鏡ごしにアレイスター・クロウリー(イギリスのオカルティスト)が現れる場面もけっこう存在感があったな、と。(ロックバンドには1人くらいクロウリー好きがいるような気がする。。レッチリのジョンフルシアンテもクロウリー好きやしな。レッドツェッペリンのギタリスト、ジミー・ペイジもクロウリー好き)。
オアシスが爆発的ヒットしたあたりで高校生くらいの日本人の女の子たちが「クリエイション・レコーズ」の事務所で騒いでるシーンとかあったのも、私には何だか親近感がありました。というのも、私が高校生の時代にまさにオアシスのUKロックブームが到来していたので。
まとめ
90年代の熱いウネリを体感として思い出させてくれる映画でした。フリーメイソンやアレイスター・クロウリーが出てくるのも、そう言えばオカルトブームがあった時代でもあったな、と思い出しました。ネッシーの特番とか、心霊写真の特番のテレビとかよくやっていたな、と。