『万葉集』はどうやってできたのか、がわかる
編集に携わっていた
『マンガでわかる万葉集』(池田書店)が10月23日から
Amazon、書店で発売中です。
手前味噌な内容でアレですが、そうゆう時期なんです。あと一冊、来週にも出るものがあります。こうゆう時期もあれば、粛々と黙って作っている時期もあるわけで。さて、『万葉集』の本はすでに数々あるのですが、『万葉集』がどうやってできたのか、誰が作ったのか、これを一言で説明するのはとっても難しいのです。そこをマンガでわかりやすく読めるのが本書の一番の特徴かもしれません。大部分は大伴家持が編纂したと伝えられているのですが、彼は途中から『万葉集』の編纂を離れたという説もあります。
そうゆうこともあるだろうな、と私は思います。
なぜなら、私もこの『マンガでわかる万葉集』の編集を途中で離れたから。なんせ私も最後まで編集できず、最後は別の者にバトンタッチして仕上げてもらうことになりました。『万葉集』も大伴家持が1人で編纂したわけではなく、幾人かがバトンを繋いで仕上げたものとみられてます。
5世紀から8世紀中頃まで、人々の本音がわかる
古墳時代に生きていたイワノヒメ(仁徳天皇の后)から、雄略天皇、聖徳太子、天智天皇、藤原鎌足、額田王、天武天皇から奈良の大仏を建立した聖武天皇の時代くらいまで。『万葉集』には、5世紀から8世紀中頃までの人々の歌が収録されています。とくに中大兄皇子が活躍していた7世紀中頃、白村江で大敗したことにより外国を意識した日本は、明治維新さながらに異国の文化を取り入れ、国力を高めようとしていました。その激動の時代の息吹を、『万葉集』は今に伝えてくれます。本書はその時代の熱量を伝えることにも注力しました。
あ、もちろん新元号「令和」の元ネタとなった「梅花の歌」序文についても触れています。しかもマンガ化されているのは初かもしれません。
自然と共に生きる暮らしがわかる
歴史的にメジャーな人物だけではなく、名も記されていない庶民の恋愛や悲哀、冗談や楽しみなどがリアルに伝わってくるのも『万葉集』の魅力でしょう。春は春日野で若菜摘みや男女の出会いの歌垣があったり、夏はホトトギスの声を楽しんだり、秋は萩を見に行くデートをしたり、冬は雪見デートでいちゃつく……。
やはり今よりも、もっと自然や、人の欲求もダイレクトに結びついている暮らしを感じます。じつは万葉集の3分の1以上が恋の歌です。恋はこの時代にとって一大テーマだったことがわかります。
まとめ
先日の即位礼、そして11月には大嘗祭があります。皇室への関心が高まり、天皇家とは? として天皇家を象徴する日本とは? 考える機会が増えることでしょう。そこで手にとっていただきたいのがこの『マンガでわかる万葉集』(池田書店)←まだ宣伝する?W 大嘗祭を成立させたのはこの本にも登場する天武天皇といわれています。『古事記』『日本書紀』の編纂も天武朝から始まりました。この時代は今につながる天皇家のキーポイントです。『万葉集』にはこの時代の人々の肉声が詰まっておりますよ。
ちなみに、私は右とか左とかの主義や主張はありません。自分は自分でありたいので。まとめ長!